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644話

一時間後、ジョセフは警察署に現れた。

警察署の外、椅子に座っていたキャシーはちょうどゲームを終えたところだった。彼女は化粧をしておらず、髪はお団子に結ばれ、可愛らしく無邪気な顔を見せていた。彼女は無害な大学生のように見えた。

しかし、ジョセフは彼女が必死になって彼からハンドルを奪おうとした様子をまだ鮮明に覚えていた。

「やぁ、また会ったわね」キャシーは笑顔で手を振りながら挨拶した。

「何をしたんだ?」ジョセフは大股で近づいて尋ねた。

警察は車内での二人の口論の録音を再生した。ジョセフの顔は青ざめた。その女が録音していたなんて信じられなかった。

「申し訳ありませんが、ジョセフさん、この録...