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348話

キャシーは彼女の方へ漂ってくる囁き声に気を留めなかった。彼女の注意は「ヘルナンデス財団チャリティーナイト」と告知する大きなスクリーンに固定されていた。

ジョセフがヘルナンデス財団のイベントにいるなんて?

彼女の視線が部屋中を巡ると、めまいを感じた。ジョセフが出席していただけでなく、ルナ、ミルドレッド、メイベル、セレステ、そしてヘルナンデス一族の残りの面々もいた。ベラとレオ・チャップマンさえもそこにいた。

全ての視線が驚きとともに彼らに向けられた。

キャシーの足は震えた。彼女の心の中の目に映るのはジョセフだけだった——鋭い黒いスーツ、彼女に注がれる強烈な暗い視線、そして彼女だけが理解でき...