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チャプター 312

キャシーは素早く反応し、ブレーキが効かなくなった車を坂道を下るように操った。車は速度を増し、狭い道に一台のベントレーが現れた。彼女は迷わずその横を一気に通り抜けた。

ベントレーの運転手は驚愕した。「リアム、あの人は正気か? あの車、時速150か160は出てるぞ!」

リアムが顔を上げると、白いスポーツカーが風のように道を駆け下り、ブレーキをほとんどかけずにカーブを曲がっていくのが見えた。レース場でも彼が決して出さないような速度だ。

「車に問題がある。追いかけろ」と彼は指示した。

運転手は必死に追いかけたが、スポーツカーが山道で時速200マイル近くに達しているのを見て、二人とも唖然とした。...