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第1724章「彼は私の夫」

「大丈夫だよ」

エリオットは膝の上からファイルをどけた。

ジュリアを待ってはいたものの、この機会に仕事も片付けていたのだ。

ジュリアが車に乗り込もうとしたその時、後ろから突然、興奮した声が飛んできた。

「ジュリア、やっと捕まえた! やっぱり男がいたんだな、どうりでいつも携帯ばかり見てるわけだ」

アーロンが角からひょっこり顔を出した。「どれ、姉さんを夢中にさせて、俺に仕事を全部押し付けさせた張本人の顔でも拝ませてもらおうか」

ジュリアの顔が険しくなったが、アーロンを止めるには遅すぎた。

アーロンは素早く車のドアまで割り込み、車内の明かりがついた中に座る、白いシャツを着て端正な顔立ちにどこか冷た...