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第1693話ダーリン

午後五時半。

ジュリアは三十分早く仕事を切り上げ、近くのスーパーマーケットへ車を走らせた。

鮮魚コーナーに着くと、彼女はエリオットに送ろうと写真を撮ったが、フェイスブックで彼を友達追加していなかったことを思い出した。

仕方なく彼に電話をかけた。「夕食は何がいい? スーパーに来てるの。ここには魚とエビがあるわ」

「俺の夕食は作らなくていい。実家で食べるから」エリオットの素っ気ない声が受話器の向こうから聞こえてきた。「今夜は泊まりにも行かない。もう結婚初日じゃないんだから、君に合わせる必要はないだろ」

ジュリアの瞳に失望の色が宿った。「夕食に戻ってこないのはいいわ。でも、寝には帰ってこなき...