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1519話

彼女は顔を赤らめ、彼の腰に回していた手を緩め、デレクにちらりと視線を送った。

彼はまったく気づいていないようで、エレベーターに向かって歩きながらも彼女の手をずっと握っていた。

この自然な親密さに、彼女の指は不快に震えた。

「どうしたの?」デレクが振り返り、彼女の手をもう少し強く握った。

「ただ、私たち…」ローラは気まずそうに腕を上げ、彼に思い出させようとした。

「めまいがすると言っていたから。転ばないか心配なんだ」デレクの表情はとても自然で、ローラは考えすぎているのかもしれないと感じた。

「ただ手を握っているだけなのに」と彼女は思った。彼らは先ほど一緒に眠りさえしたのだ。

でも、...