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第1517話キスしたと思う

ようやく二人はキスをやめ、互いに息を切らしながら唇を離した。

デレクが少し身を引いたが、彼の唇はまだ彼女の唇に軽く触れていた。目を閉じ、微笑みながら彼は呟いた。「これが女の人とキスするってことか?」

彼の温かい息が彼女を包み込み、整った顔立ちはメイヴが飴をもらったときのように幸せそうに見えた。

ローラは言葉を失い、恥ずかしさから彼の顔を直視することすらできなかった。

緊張、気まずさ、羞恥心、照れくささ――さまざまな感情が彼女の中で入り混じり、まるで操り人形になったような気分だった。

頭の中をぐるぐると回るのはただ一つの考え:彼女はデレクとキスをしたのだ。

「私たち……」長い沈黙の後...