Read with BonusRead with Bonus

210話

(デメトリの視点)

彼が騒ぎ立てなかったことには感謝しているが、食事のために宴会場に入る時の彼の沈黙が気になっている。ビュッフェの料理と彼の様子を交互に見ながら列を進み、お気に入りの料理を全て取っていく。

ジェッサは大きな皿を手に取り、普段彼女が食べるのを見るよりもはるかに多くの食べ物を山盛りにしている。彼がまだ皿すら手に取っていないことに彼女が気づいているのかどうかはわからないが、確かに二人分の食事があるほどだ。

彼らは簡単に私について建物の北東の角にあるドアまでついてくる。キーカードを取り出してキーフォブ受信機にスキャンし、ロックが解除される音を聞きながらドアを押し開ける。

私たち...