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35話

「一緒に行かなくてもいいんだぞ」私はタルタロスへの旅に必要な最後の物資を集めながら、今日何度目かになるかわからないほど繰り返しサマエルに言った。

「カトリーナは、もしあそこで何かあなたに起きたら、絶対に私を許さないだろう」サマエルはぶっきらぼうに答え、魅入られたように見つめている球体から視線を外さなかった。

「ああ、カトリーナね」私は目を転がしながら返事をし、バッグのジッパーを閉めて肩に投げ掛けた。

サマエルは今日、私に対して変な態度をとっている。昨夜、彼との間で少し早まったかもしれないが、どうしても自分を抑えられなかったのだ。彼に対して磁石のような引力を感じた。あの瞬間、カトリーナを求...