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109話

ケク。その名前は私の背筋に戦慄を走らせた。子供たちに言い聞かせる物語には、いつも何らかの真実があると知っていた。私を取り巻く闇は星から生まれたものではない。それを囲む光はない。まるですべての光が消えてしまったかのようだ。それは終わりのない暗黒の穴だ。混沌は光から生まれない。完全な無秩序と混乱を望み、周囲のすべてを完全に困惑させることに神聖なものなど何もない。混沌、破壊、嫉妬、悲惨さ、そして絶望の神々が光から生まれたとは思わない。私の考えでは、一部の神々は社会に溶け込んでおり、また光の神々の血が本来の闇を汚し、その否定性を弱めたのだと思う。だから闇は私を完全に支配していない。私の人間側から来る光...