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7話

ローズ

窓から覗き込むと、驚きと混乱が恐怖へと変わる。下の庭園の暗い霧の中に四つの人影が立っている。瞬きして視界を調整しようとする。

彼らの姿は、四人だけが聞こえる音楽に合わせて揺れているようだ。私を見上げる顔に目を凝らすと、心臓が沈む。叫ぼうと口を開くが、何の音も出ない。

幽霊を見たことはないが、何事にも初めてがあるという。下にある顔はぼんやりとしている。彼らには明確な特徴がない。顔のない存在だ。

もう一度叫ぼうとするが、前と同じように、誰かが私の音声ボタンを消したかのようだ。窓から離れようとするが、動けない。もう私を見上げている恐ろしい顔のない人影を見たくない。

足が何かに挟ま...