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272話

トリーシャ

「デイモン?女神に感謝するわ」

最初に返事をくれたのは彼だったけど、すぐに他の二人も続いた。この王国で初めて誰かと心を通わせることができたの。まだ正式なものにする時間はなかったけど、私が彼らのメイトだからなのかもしれない。

ありがたいことに、あの小さな男の子が鍵を見つけてくれて、牢から出たことで心の繋がりが開いたみたい。牢の壁に何か妨げるものがあったのかもしれない。

彼らはまだ私のことをダフネと呼んでいるけど、今は本当の自分が誰なのか説明する時ではない。まずはここから脱出して、後で直接説明しなければ。

「どこにいるの?」ブレイデンが尋ねる。

「地下みたい」と私は言う。...