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155話

トリスタン

リースと私は何時間も走り続けてきたようで、ついに城が見えてきた。ずっと無言のままだったが、ローズを救うという同じ思いを共有していることは言葉にしなくてもわかっていた。

女神に祈る、彼女と私たちの子供たちが無事でありますように。

城門に入ると、私たちは人間の姿に戻った。そこには標準支給のスウェットパンツを持った使用人たちが待機していた。着る時間を取りたくはなかったが、素早く身に着けてローズの部屋へ向かって廊下を走った。

しかし、ローズの部屋までたどり着く前に、廊下でマークとばったり出くわした。彼も何か急ぎの用事があるようで、ローズの部屋とは別の方向に向かっていた。

「ついてきて...