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147話

王様ジーン

ここに座ることは滅多にないが、座るときはとても楽しい。特に誰も見ていない時はな。誤解しないでほしい。臣民たちが助けを乞いに来る時に王座に座るのは大好きだ。小さな虫けらどもがのたくって入ってきて、最高の家宝を持ってくる。息子を牢獄から出してもらおうとか、家族の借金を返すために娘を他の群れの売春宿に売られるのを免れようと賄賂を渡そうとするのだ。

そんな役立たずの些細な問題なんて、なぜ俺が気にする必要がある?

まあ...その家宝の中には結構良いものもあるし、城の装飾品に加えるために貰うのは悪くない。たとえ彼らの息子や娘が誰だか忘れてしまったとしてもな。彼らに何が起きようと、きっと...