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128話

イーライ

口の中に古い靴下が詰め込まれているような感覚がある。実際には何も入っていないとわかっているけど。舌は自由に動かせる。以前、口にガムテープを貼られたことがあるから、その感覚は知っている。今回はそれとは違う。

でも、近い感じではある。

何も見えない。目隠しが頭に巻かれているようだ。匂いからすると、誰かか何かが最近そこに小便をかけたようだ。そうでなければ、俺が閉じ込められている場所がトイレのような臭いがするだけかもしれない。

多分、両方の要素が少しずつあるんだろう。

背中と足に木の感触がある。だから、何らかの小屋や小さな家にいるような気がする。大きな空間には感じられないが、確信はない。...