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11話

ローズ

「ローズ様?起きる時間ですよ」

ヴィエナの柔らかい声が私のそばで聞こえるけど、目を開けたくない。昨夜は眠りにつくまでに永遠と時間がかかったし、今やっと夢の中にいるのに、そこから出たくないの。何の夢を見ていたかすら覚えていないけれど、それは問題じゃない。

「ローズ様?もうすぐレースが始まりますよ!」彼女が繰り返す。

「レース?」私は尋ねる。「どんなレース?」目を開けて、彼女を見上げてまばたきする。このベッドは心地良すぎる。実家ではこんな風に起きるのに苦労したことなんてなかったのに。

「四人のアルファたちのレースですよ、お嬢様」彼女は伝える。「誰が...あなたの最初の相手になる...