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556話

ハーパーは黄色いワイヤーにハサミを合わせ、迷うことなく切った。その音が響き、彼女は全身の筋肉に緊張を感じながら目を閉じた。

爆発はなかった。神に感謝!

喜びのあまり飛び上がりたい気持ちだったが、そんな時間はなかった。次の爆弾設置場所へ向かわなければならない。

ハーパーはホテルから掻き集めた工具キットを掴み、肩にかけて次の場所へ急いだ。最初の爆弾を処理した自信から、今回は躊躇わなかった。彼女はハサミを取り出し、導火線に向かった。

しかし切断音の代わりに、大きな爆発音が響いた。

ハーパーは恐怖でハサミを取り落とし、地面に倒れ込んだ。彼女はしゃがみ込み、頭を手で覆い、最悪の事態に備えた。

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