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59話

アイフ視点

彼の視線がゆっくりと上に移動し、ベインが頭を後ろに傾けて私の目を覗き込んだとき、私の息は止まり、心臓は...一拍飛ばした。

これが私の中で湧き上がる興奮なのか、それとも純粋な恐怖なのか、わからなかった。

母はかつて私に、胸の中で踊る蝶々ではなく、直感に耳を傾けるように言った。蝶々は警告のサイン、悪いもの、初期の闘争か逃走の反応だと。

でも、もしそれが真実なら、なぜ蝶々たちは私の中で核戦争を始め、目を逸らしてはいけない、身を委ねるべきだと心の中で叫ぶのだろう?

彼の目に燃える欲望は新しいものだったが、私を完全に油断させた何かがそこにはあった。

憧れ。測り知れない悲...