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17: 私はケーキが好きです。たくさん。

カーラ視点

一秒、また一秒と過ぎる時間が、永遠のように感じられた。ザイオンの手を握りたくてたまらなかった。彼がどんな状態であっても、私はここにいて、そばを離れるつもりはないと伝えたかった。でも、彼に触れるのが怖かった。

こんな姿の彼を見ていると、胸が張り裂けそうだった。私の強くて、愛情深くて、素晴らしい番は、もはや見る影もなく、狼の姿に囚われ、苦痛に呻いている。

テントの外から声が聞こえてくるが、そちらに目を向ける気にはなれなかった。心の奥底では、このすべての出来事が、他の皆と同じようにベインを苦しめている何かのせいで起きているのだと理解していた。それでも、すべてをベインのせいにしないの...