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12: 不安定なルナ

ミリー視点

「あのクソ野郎!」

私は肺の限りにそう叫ぶと、大きなクリスタルの花瓶を壁に投げつけた。それが粉々に砕け散るのを見つめる。胸は不規則な呼吸で激しく上下していた。

あいつのせいで、気が狂いそうだ。あの自己中心的で、傲慢で、まったくもってイカれたクソ野郎は、本気で私をこんな風に支配できると思っているのか? 冗談じゃない。あいつが望むように、男の前でひざまずくなんて絶対にありえない。

一度は逆らってやったのだ。もう一度同じことをするのに、何のためらいもない。

血が沸騰するのを感じながら、私はリビングを歩き回り、別の花瓶を掴んだ。これも先ほどのものと同じ運命をたどり、...