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11: 彼はやり遂げるでしょう。

カーラ視点

「毒?」私はその言葉を繰り返した。けれど、私の唇から発せられたそれは、質問というより血塗られた呪いの言葉のように響いた。

最悪な形で、本気で正気を失いかけていた。片手で膨らんだお腹を抱え、もう片方の手でザイオンの獣の姿の前足を握りしめ、かろうじて立っているのがやっとだった。

癒し手は、まるで以前にも同じような光景を見たことがあるかのように頷いたけれど、誓って言う、そんなはずはなかった。

こんなにも恐ろしいものを誰かが見たことがあるわけがない――絶対に。

確かに、社会から完全に孤立した山の中で暮らしていれば、飢えた野生動物や、あるいは襲撃者と遭遇することも多かっただ...