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103: 死の願い

ザイオン視点

またしても、カラはまったくもって正しかった。

俺は悲しみと苦痛と怒りにあまりにも囚われすぎていた。そのせいで、合理的な判断を下す能力も、これまでの人生で俺にとって大きな意味を持っていたすべてのことについて考える能力も、曇ってしまっていたのだ。

ベインは、俺が知る限り唯一の、変わらない存在だった。確かに、口論もしたし、喧嘩もした。だが、最悪の日々の後でさえ、俺にはいつも最高の親友がいた。

だが今は……。今、俺は、絶対になりたくなかった卑怯者のように振る舞っている。

自分でも気づかぬうちに、俺はあいつを見捨て、あの化け物が本来奪うべきではないものを奪うのを許し、いつもそばに...