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77: あなたはキリアンを信用していません。

「ザイオン視点」

山小屋は確かに居心地は良かった。だが、それ以上に暑苦しく、息が詰まりそうだった。暖炉でパチパチと音を立てる火のせいでもなければ、何年も経っているだろうに未だに新鮮な松の香りがする、どっしりとした丸太の壁のせいでもない。

いや、俺の問題はアルファ・キリアン、ただその一人に尽きる。奴はまるで我が物顔で正面玄関から入ってきたし、あの馬鹿なジョナサンがそれを許し、まるで迷子の犬ころみたいにあのクソ野郎の後をついて回り、うっとりとした眼差しを向けたりなんかしていたのだ。

キリアンが突然現れたことも信用できなかったし、それ以上に、奴自身が信用ならなかった。

そして何よりも最悪なの...