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231話

ザイオン視点

意識が途切れ途切れになりながら、男はカラから私を連れ去っていった。おそらくエイフからも。

ようやく頭が働き始め、あの恐ろしいトンネルから脱出し安全な場所にいると理解すると、私の体はついに力を失った。

エイフとの出会いは夢だったのかもしれないが、自分が最低だと分かっていても、正直どうでもよかった。私の頭を悩ませていたのはカラのこと、彼女の安全と私たちの赤ちゃんの安全だった。

「頼むから、動いたりもがいたりするのはやめてくれ。お前は重すぎる。このままでも運ぶのは大変なんだ」男は不満そうに言い、私を少し持ち上げて肩の位置を調整した。「前に会った時よりずいぶんやせたように...