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862話

夕方、チャールズの部屋のドアノブがこっそりと回され、ドアがきしむ音を立てて開いた。

パトリシアは後ろにいるファニーに素早く「しっ」と合図を送り、そっと足音を立てずに入っていった。ファニーはすぐ後に続いた。

マリアはドアの外で待機しながら、少し困惑した様子だった。

パトリシアはチャールズのベッドに忍び寄り、首を伸ばして覗き込んだ。

チャールズが熟睡しているのを確認すると、彼女は慌ててファニーに近づくよう手で合図した。

二人は違う角度からチャールズの携帯電話を探し始めた。

ナイトスタンド、引き出し、ソファ、コーヒーテーブル——あらゆる場所を探したが、見つからなかった。

ついに、二人は...