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321話

高貴な王子のように、マーティンは笑顔でパトリシアに手を差し出した。彼が入室した瞬間から、彼女の視線は彼の顔に釘付けになり、目を離すことができなかった。

「ドーン!」祝砲の音が鳴り響き、パトリシアがゆっくりと彼の力強い手のひらに自分の手を置くと、周囲に紙吹雪が舞い散った。

「結婚おめでとう、パトリシア...」

「マーティン、パトリシア、末永い幸せを...」

祝福の言葉の中、マーティンはパトリシアを控え室から結婚式場へと導いた。花嫁介添人として花を持ったファニーが先導し、チャールズとランディがパトリシアのトレーンを持った。この五人家族は結婚式の舞台へと歩み、瞬く間に会場全体の注目を集めた。...