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第1235話その間に挟まれた

レストランの席についていても、ランディはまだ、信じがたい思いで現実感のない靄の中に囚われているようだった。

「ランディ」

「ランディ」

次第に心配の色を濃くしていくステラの声が、ようやく彼の彷徨う思考を現実へと引き戻した。

「どうしたの?」

ステラはわざとらしいほど慎重な手つきでステーキを切り分けながら、不満そうに唇を尖らせた。「どうしちゃったの? さっきからずっと話してるのに、一言も聞いてないじゃない」

チャールズとハナも、彼の様子がおかしいことには気づいていた。映画館を出てからというもの、ランディは物思いに沈み、心ここにあらずで、すっかり自分の殻に閉じこもってしまっていた。

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