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第1092話ティナとオースティンがつながった

翌日。

エマは食料品の買い出しに行ったついでに、ティナのためにスマートフォンを一台購入し、匿名のSIMカードも手に入れた。

家に戻っても、エマはすぐにはティナにスマホを渡さなかった。代わりに、午後三時、ティナにお茶を運ぶ時間まで待ち、ポケットにスマホを忍ばせて彼女に渡した。

「モリス様、お頼まれになったスマホです。匿名のSIMカードも入っております」

ティナはスマホを受け取り、しばらくいじって問題がないことを確かめると、サイレントモードにして枕の下に置いた。それから、パチンと指を鳴らした。

エマは再び身震いし、ティナのためにスマホを買ったことを瞬時に忘れてしまった。

ティナはエマの...