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第958話私を愛さない、私の体だけを愛している 5

ブルースは泣き笑いせずにはいられなかった。

電話を切り、スイートルームに戻ると、シエナは深く眠り込んでいた。頭まですっぽりと布団をかぶっている。その姿はまるでウィルのようで――ただの大きな子供だ。

彼はベッドの端に腰掛け、彼女の長い髪を軽く引っ張り、微笑みながら首を振った。

どうやら、本当に誰かを好きになると、その人がすることすべてが愛おしく思えるものらしい。逆に好きでなければ、些細な欠点ばかりが目につき、関係が二人を疲れさせるまで続いてしまう。

ブルースは思った。自分は今、彼女のことが好きなのだろう!

シエナが眠っていると、彼は寂しさを感じた。

布団の中に手を伸ばし、彼女の体に触...