オメガからルナへ

27話

「彼のこと気に入ったわ」ベラはグラハムが椅子を引いてくれる間に言った。

「そりゃそうだろうな」彼はため息をついた。「あいつは女性にモテるからな」

「でも、あの人が私に軽くフリルトしても気にしてないみたいね。他の男性たちは挨拶するだけでもあなたは私をぐっと引き寄せたのに」ベラは指摘した。

「彼のことを知っているし、信頼しているからさ。どんな女性にも思わずフリルトしてしまう性分なんだ。でも決して一線を越えることはない。彼はつがいの絆を深く尊重している。特に俺のメイトに対してはね」グラハムは彼女に微笑んだ。ベラはうなずき、二人は席から立ち上がったアルファのサムの方を向いた。

「皆さん、お集ま...