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68話

アシュリー視点

いや、やっぱりその支えなんて全く意味がないし、カイデンが近づいてくる中で私をその場に留めておくほどの力もない。

彼の目は私たちに向けられ、その歩き方は使命を帯びた男のそれだった。

「落ち着いて、アシュ。あの自惚れ屋は気にするな。俺は奴を知ってる。あいつは自分に酔いすぎてて、溢れんばかりのブリトーでさえ奴に比べれば可愛いもんだ」イーサンが私の耳元でささやき、それによって警報のベルはさらに大きく鳴り響いた。

私が側にいることを選べる人の中で、イーサンを選んだなんて?私ってどれだけバカなんだろう?この大群衆の中で、私を個人的に拒絶した男を知っている人物のそばに立っているなんて...