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60話

アシュリー視点

ようやく減速して丘の下に着いたとき、まるで一年かけて移動したか、時間が止まったかのような感覚だった。

どちらかだけど、どっちのシナリオも好きじゃない。

最善の行動は、すぐに立ち上がって周囲に危険がないか確認し、エリアスを見つけてこの状況に対処することだとわかっている。でも、まだ立ち上がる気力が出ない。

「さあ、できるよ」と自分に言い聞かせるけど、筋肉がまったく動かせないことはわかりきっている。

アドレナリン全開の状況の面白いところは、極度にエネルギッシュになれて、どこからともなく力が湧いてくるけど、そのハイが過ぎると、まるで麻痺したような感覚になることだ。

だから、...