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エピローグ

アシュリー視点

一年後

一年。混乱が終わり、戦争が遠い記憶となり、平和がようやく手の届くものとなってから、丸一年が過ぎた。城のバルコニーに立ち、眼下に広がる王国――私たちの王国を見渡すと、かつて感じたことのない誇らしい気持ちで胸が満たされるのだ。

かつて傷跡が残っていた大地も、癒え始めている。血と壊れた体で埋め尽くされていた森は、再び青々と生い茂っている。焼かれた村々は再建され、人々は過去の傷跡を抱えながらも、以前より軽い足取りで歩いている。

遠くから聞こえてくる子供たちの笑い声が、私の心に温もりを届けてくれる。

背後で、石畳を打つブーツの音がして、私は微笑んだ。振り返るまでもなく、エ...