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チャプター 300

ジオ視点

じっとしていられない。そうしようとするたびに、足が勝手に揺れだすか、手近なものをいじくり回してしまう。キャンプは静かで、熊たちはそれぞれの仕事に忙しい。だが、俺の頭の中は収拾がつかないほど混乱している感じだ。

アッシュはここにいれば安全だ、少なくとも俺はそう自分に言い聞かせているが、それでも落ち着かない。

最後に彼女を見かけた焚き火の方に目をやる。もうそこにはいない。たぶん、また訓練に行ったのだろう。あの子は決して止まらない。自分の身は自分で守れると分かっているが、一日中俺を蝕んでいるこの不安な気持ちを振り払うことができない。何かが来ている。そしてそれは、俺たち全員にとって手に...