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第二十七章

カイデン視点

暗く湿った洞窟の中、俺は行ったり来たりと歩き回っていた。はぐれ者が戻ってくるまで、ここを隠れ家にしたのだ。牢を抜け出した後だ、父上が俺を探すために衛兵を放っているかもしれない。開けた場所に出る危険は冒せない。

聞こえるのは、遠くで葉が擦れる音と、時折響くフクロウの鳴き声だけだ。はぐれ者は行ってから何時間も経つのに、待つうちに我慢がきかなくなってきた。拳を握りしめ、苛立ちを抑えようと努める。

あいつは知らせを持って戻ると言った。何が起こっているのか知る必要がある。どれだけの数が俺についてくるのか、知らなければならない。

ようやく、足音が近づいてくるのが聞こえた。心臓が高鳴る...