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第293章

カイデン視点

衛兵どもが腕を掴む。鉄の枷のような手で手首を締め上げ、建物の地下にある冷たく暗い廊下を引きずっていく。俺は抵抗しない。意味がない。王である父は、すでに決断を下したのだ。今の俺は、父にとって脅威以外の何物でもない。閉じ込めておくべき厄介者だ。

独房に突き飛ばされ、鉄格子がけたたましい音を立てて閉まる。よろめき、湿った石の床に叩きつけられる寸前でかろうじて体勢を立て直す。牢内は冷え切り、汗と絶望の臭いが空気に満ちている。周りでは、他の囚人たちが笑い声を上げ、その声が薄暗い地下牢に響き渡る。

「ようよう」そいつらの一人が嘲るように言った。「偉大なる王子様も、俺たちと同じようにぶち...