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第289章

エリアス視点

日は沈みかけ、空をオレンジと紫の色合いに染めている。俺たちは何時間も歩き続け、足は鉛とゼリーで同時にできているような感覚になってきていた。

隣にはエヴェレットが歩いている。相変わらず真剣な顔つきだ。一方、イーサンは鼻歌を歌いながら先の方をぴょんぴょん跳ねている。あいつは状況が良くない時でさえ、何かおかしなことを見つけてやるのが常だ。

「一晩中歩き続けるわけにはいかない」静寂を破ってエヴェレットが言った。その声はいつものように落ち着いているが、断固とした響きがあった。

彼の口調にはいつもと違う険しい響きがあったが、俺はそれを無視しようと努めた。単に、彼にそれを指摘すれば、い...