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第二百五十章

「マドックス長老視点」

王の領土にある図書館は影に隠れ、シャンデリアの薄明かりは部屋の隅々まで届かず、ましてや私を取り囲む者たちの顔などほとんど見えない。それは好都合だ。彼らも私と同じように、誰にも見られたくないのだろう。誰にも、評議会の面々にさえも。

空気は古書の香り、埃、そして私たち自身の緊張感で重く満ちている。私は長テーブルの上座に座り、他の者たちが入ってくるのを見ながら、テーブルの上に指を広げている。今夜の長老たちは厳粛な様子で、その表情には心配の色が刻まれ、私自身の表情を映し出しているようだ。王の視線から離れ、このような秘密裏に会合を開くことは稀だが、問題の大きさは今まで以上に...