Read with BonusRead with Bonus

第二十三四章

ハンタースパイ視点

奴らの匂いが大嫌いだ。いや、匂いではない、悪臭だ。ひどく腐った、吐き気を催すような臭いが喉を這い上がり、そこに居座って爪を深く食い込ませ、離れようとしない。

狼だろうが熊だろうが、何であれ、その悪臭は第二の皮膚のように奴らに纏わりついている。濃厚で獣臭く、それを纏った生き物以外の何物でもないと一目で分かる代物だ。

新鮮な森の空気や化学薬品でも洗い流せないような悪臭だ。

それでも、私は笑顔を浮かべ、弱々しく役立たずに見えない程度に頭を傾けて従順さを示す。敬意を持っているふりをするのだ。

この役を演じるのは今回が初めてではない。はみ出し者、はぐれ者、行き場のない迷...