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第二十三章

「カイデン視点」

逃げた運命の相手を追いかけてきたが、手掛かりはすべて無に帰した。

父の領土を隅々まで探し回り、彼女を見かけたかもしれない者全員に尋ねたが、彼女は消え去った。まるで空気の中に溶けたように姿を消し、それが俺を狂わせている。

彼女が「ノー」と言った時の目の輝き、その反抗心、そこにあるはずのない炎を考えずにはいられない。あの時止めるべきだった。力ずくで従わせることもできたのに、俺は躊躇してしまった。そして今、彼女は時間が経つごとに俺の手から滑り落ちていく。

壁に拳を叩きつけると、石が衝撃で割れ、魔力が俺の中で高まり、これまで感じたことのない怒りとともに血管の中で脈打つ。足りな...