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第二十八章

カイデン視点

翻朝、私は使用人たちや侍女たちよりも早く目を覚ました。父が起きる何時間も前に、誰にも気づかれずに自分の部屋から抜け出すためだ。誰も見ていないときの方が、いつだって簡単なものだ。

本来なら、私はここにいるべきではない。父の許可なしなど論外だ。父の執務室ならまだしも、鍵のかかった図書室は王以外誰も立ち入る権利のない部屋の一つだ。今までは。

もはや私は父の期待に応えようとする息子ではない。違う。今の私には力がある。本物の力だ。そして、かつて私を疑った全ての者たちにそれを証明する必要がある。

大きな樫の机の前に立ち、その上に散らばった地図や書類を見下ろすが、私の心はまだどこか遠く...