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169話

彼の視点

翌朝、電話の着信音で目を覚ましても驚かなかった。その電話は私宛てではなく、ベンジャミン宛てだ。この任務で携帯を持っているのは彼だけなのだから。

昨晩、キャンプの設営を終えて全員が食事をした後、一杯やることにした。いつものように一杯が二杯になり、二杯が三杯になって、気がつけば全員がキャンプファイアを囲んで笑い転げ、酔っ払っていた。

ベンジャミンが耳まで届くような笑顔を浮かべ、甘い言葉を口にしているところを見ると、あの生意気な王子と話しているのだろう。

まったく、こいつは最悪の趣味をしている。彼が選ぶ女性は何世代にもわたって彼の血筋を呪うことができるような女性ばかりだし、男性の場...