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145話

エリアス視点

長老たちが席に着く間、俺と弟は演技を続け、狂気の役を完璧にこなしている。

部屋の緊張感が堪らなく好きだ。特にベータが全員を睨みつけ、護衛たちが議会をまるで病原体でもあるかのように取り囲んでいる様子がな。ちなみに、議会のメンバーは実際そうなんだけどな。

イーサンは彼らに向かって歯を鳴らし続け、年寄りどもに思い出させている—奴が望めば、いつでも誰でも攻撃できるということをな。

やがて、父さんと母さんが手をつないで現れ、二人とも満面の笑みを浮かべていた。ああ、何か企んでるな。

「こんばんは、親愛なる長老評議会の皆さん。私たちの領土への訪問を楽しんでいただけていると良いのですが...