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131話

ジオ視点

最初、王の護衛たちは俺を完全にクソみたいに扱うだろうと思っていた。だが、それは起こらなかった。

確かに王が近くにいる間は押したり突いたりしてくるが、王が角を曲がって姿を消すやいなや、全ての護衛たちは俺に示した無礼を小声で謝ってきた。

階段を下りて牢へと連れて行かれる途中、右側の護衛が唸った。「あの小僧を君より選ぶなんて信じられないよ、ジオ。王は頭がおかしくなったんだ。君がいなければ、ここでは何も進まない。君こそがこの場所をまとめる接着剤のような存在だ。くそっ、王が君に助言を求めずに決断を下した最後の時なんて思い出せないよ」

彼の言葉で、この状況が少し楽になった気がする。王は俺...