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第613話ソフィーのことは絶対にあきらめる

シャロンは一瞬ためらったが、手を伸ばしてそれを受け取った。

「今、開けてもいいかしら?」

アルトンは頷いた。「もちろんだ」

シャロンが箱を開けると、そこには月を囲む星々のように輝くダイヤモンドに縁取られた、息をのむほど美しいルビーのネックレスが現れた。あまりの美しさに、彼女は目を離すことができなかった。

「とても素敵だわ、ありがとう」

「気に入ってくれたなら何よりだ。ところで、デメトリウスはどこにいる?」

「ホールにいるはずよ」

アルトンは微笑んだ。「分かった、探しに行ってみるよ」

アルトンが去った後、ソフィーはまだ感嘆冷めやらぬ様子で尋ねた。「シャロン、あの人誰なの? このネックレス、最近...