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第582話彼女に触れさせない

「初めて会った時も同じことを言っていたわね。何年も経つのに、まだ変わっていないなんて信じられない」

セブはその話題を深追いせず、代わりにジェレミーの状況について尋ねた。

「病院にいる誰かに彼の様子を監視させている。容態は悪化していて、おそらくあと一ヶ月もたないだろう。キャロリンはこの時間を利用して、邪魔な人間を排除するに違いない」

「結構だ。彼女が動けば動くほど、我々が掘り出せるスキャンダルも増える」

「ああ、だが依然として厄介な状況だ。ストール家の中にはキャロリンを支持する者も多い」

セブはにやりと笑った。「だが、彼女には愚かな息子がいる。彼女が南部の土地をギャレスと引き換えにお前...