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第560話心配しないで、何もしてあげないから

書斎の扉をノックする音がしたとき、どれだけの時間が経っていたのか誰にもわからなかった。

「どうぞ」

シャロンがドアを開けて入ると、窓際に立っているセブの姿が見えた。彼女は驚いて言った。「セブ、仕事はないの?」

セブは彼女の方を向いて答えた。「会社の仕事は数日延期して、デメトリウスの幼稚園にも休みの連絡を入れておいたよ」

「あなたに相談したいことがあるの」

「何?」とセブは尋ねた。

「デメトリウスがほしいご褒美のリストを見たんだけど、その中に私たちと一緒に外出して楽しむというのがあったの。これからの三日間で家族旅行に行くのはどうかしら?」

セブの目に驚きの色が浮かんだ。「いいよ、リ...