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276話

シャロンはそれを聞いて黙り込んだ。気に入らなかったが、今の彼女に思いつく最善策はそれだった。

最近、セブがデメトリウスを奪いに現れる夢を見ていた。毎朝目覚めると、デメトリウスがまだそこにいることを確かめていた。

彼女はためらいながら言った。「でも、デメトリウスを遠ざけなければ、他に選択肢がないわ」

ザカリーは一瞬黙り、それから優しく言った。「シャロン、落ち着いて。セブは記憶喪失だ。デメトリウスを追いかけてこないかもしれない。リラックスしろよ、いいか？」

シャロンは唇を噛み、囁いた。「わかってる、でも考えずにはいられないの」

ザカリーは彼女を安心させようとした。「明日戻るよ。会って話し...