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第250話どんな約束をしても、離さない!

アレックスはまるで彫像のようにその場に立ち尽くし、動けなかった。

「スミスさん?」ジョセフが心配そうな声で尋ねた。

「シャロンを探しに行く。彼女に何かあったなんてありえない!」

アレックスはジョセフに携帯を押し返し、くるりと振り返るとエレベーターに向かって一直線に歩き出した。

ジョセフは慌てて彼を遮るように立ちはだかった。「スミスさん、重要な国際会議が控えています。今抜け出すわけにはいきません。」

その会議は大規模な企業間コラボレーションにとって非常に重要なものだった。アレックスが抜ければ、間違いなく相手方を激怒させるだろう。

アレックスの顔は青ざめ、両脇で拳を握りしめ、目には葛藤...