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107話

セブの目が暗くなった。「まだだ。ホテルの監視カメラは壊されていた。ポールが周辺を調査している。今は少し休んだ方がいい。後で話そう」

「わかったわ。ありがとう、セブおじさん」

「どういたしまして。今がベストなタイミングではないかもしれないが、誕生日おめでとう」

シャロンは一瞬止まり、それから柔らかく返した。「ありがとう」

もしソフィーが目覚めなければ、これからの誕生日に意味はないだろう。

「休みなさい」とセブは言った。

「わかったわ」

シャロンは寝室に向かった。リビングルームと同じく、黒と白とグレーで統一されていた。

かすかな涼しい香りが部屋に満ちていた。何の香りか特定できなかっ...